156センチの視線

「感謝の祝福」

 4世紀の神学者、説教家であるヨハネス・クリュソストモスは、その名説教のため「金口イオアン」として知られた人です。それゆえに彼は妬まれ、当時のキリスト教指導者である大司教や司教等により、ローマ皇帝に告訴され、流刑地に移送中に帰天しました。
 教会の歴史もこのような愚かさを繰り返してきました。勿論今日もこのようなことが散見されることは言うまでもありません。しかし、それにもかかわらず、それ故にこそ、御言葉に生きる人びとの真実は、決して輝きを失うことはないばかりか輝き続けています。
 ローマ当局に逮捕され、投獄された彼は、「神様、ここにわたしを送られたのは、ここにも福音を聴くべき人がいるからであり感謝します。」と、牢獄で福音を伝え、怒りを買い、死刑宣告を受けます。その時「神様、聖徒の一番美しい死は殉教です。私のような者を殉教者に加えていただき感謝します。」と祈りました。
 このことが皇帝の耳に入り、彼が殉教できないように死刑中止を下したとき、「神様、感謝します。まだわたしにやるべき仕事が残っているので生き長らえさせられたと信じます。」と。
 愚かさの歴史をも含みつつも、このようなキリストの証人がいつの時代もに与えられてきたことに感謝しました。教会は、にもかかわらず、この世の希望として歩むことが出来るのです。わたしたちは?!