宣教

「羨望と不平に別れを告げて」

 出エジプト20:17  ヨハネ21:20~23
 今日の旧約のみ言葉は、十戒の最後の第10番目の戒めです。十戒は堅苦しい罰則規定のように誤解されていますが、実は、それとはまったく異なる、祝福への道しるべ、と言ったほうがより正確です。仏教の沙弥、沙弥尼にむけての「10の戒め」とはその方向性において大きな違いがあります。十戒は、「自分の自我状態についての不満、隣人の幸福に対する羨望と不平、それとともに、その人自身のものであるすべてに対する法外な働きと感情」についてのものです。
 神様は、一人一人に必要なもの、ふさわしいものを十分に与えてくださっています。人類最初の妬みはカインの出来事でした。ペトロは復活の主と出会い、「わたしの羊を飼いなさい」と言われました。その彼は、ヨハネが気になっていました。そこで、「主よ、この人は?」と尋ねざるを得ませんでした。それに対して、主は「あなたは私に従いなさい!」と言われました。
 羨望と、それゆえの不平に絡めとられる思いに別れを告げて、主のまなざしの愛の今を生きるのです。「むさぼってはならない」とは、わたしたちを開放と祝福へ導く招きなのです。むさぼりの反対は、感謝に他なりません。感謝は祝福の扉です。