宣教

8月21日「魂の奥深くで」

マタイ6:5〜6 ヘブライ10:19〜22
 主イエスは祈りについて語る中で、「奥まった自分の部屋に入って」祈るようにと人々に教えられました。自分の部屋がない人はどうするのか、という問いかけが出るかもしれませんが、実は「奥まった自分の部屋」を持っていない人はいません。
 旧約時代、イスラエルの民は荒野の旅を続ける中で、神の指示を受けて幕屋を建設しました。移動式の礼拝所であり、エルサレム神殿の原型となったものです。幕屋は大庭、聖所、至聖所という三層構造であり、この構造こそ、人間の日常生活と密接に関わっているのです。大庭は誰でも入れるところ、聖所は選ばれた人が入れるところ、至聖所は神と、あと一人だけが入ることのできる神聖な場所です。至聖所こそ、聖霊なる神の住まいです。そこは、自分と神だけの特別な場所であり、あらゆることが分かち合われます。それこそが、「奥まった自分の部屋」なのです。
 「奥まった自分の部屋」に入るために、奥まった自分の部屋に向かう必要はありません。ある時は静かな場所で、ある時は喧騒の中で、ある時は安らぎの中で、ある時は激しい人生の嵐の中で。神はいつでも、至聖所であなたを待っています。