156センチの視線

3月5日「種植えられて」

 先週の水曜日、東奥義塾高等学校の卒業式に出席させていただきました。礼拝堂に入ると、昨年の教え子たちが「ウッシーだ」と言って笑って迎えてくれました。式が終わって退場する時、その彼らが涙していたのは印象的でした。
 感動的な式の中で最も心を動かされたのは、卒業生代表の石岡くんのあいさつでした。彼は被災地に入って仕事をする中で、歳を重ね、すでに高校を卒業してもいい、というくらいの年齢で一年生から学校に戻ったのです。その彼が、「今日は原稿を読むのではなく、自分の言葉で感謝を伝えたいと思います」と語り始めました。ここまで来られたのは、先生方のご苦労と、親御さんの存在、何よりも周りの学生のサポートがあったのだと言う彼は、時おり言葉をつまらせながらも、しっかりと感謝を伝えていました。彼のあいさつが終わると、会場はあたたかい拍手で包まれていました。本当に素晴らしい式でした。
 3日の金曜日で一年間の授業も終わり、授業の最後に祈らせていただきました。いつもは楽しく、活発な生徒たちも、静かに祈りを合わせてくれて、最後にはアーメンと言ってくれました。この方々がキリストを信じ、キリストの弟子として歩むことを心から祈ってやみません。