宣教

7月23日「忍耐される神」

創世記8:20〜22
 ノアの物語は私たちに多くのことを教えてくれます。悪が支配する世にあって、ただノアだけが主の好意を得ました。それは、ノアが「神に従う無垢な人」だったからだと聖書は記します。
 ノアの純粋さは、箱舟の建造という神の命令によって際立っています。その大きさ、建造にかかる月日、周囲からの反応などを考慮した場合、この命令を行動に移すことは、すなわち全生涯をこの神の命令に賭けたということを意味します。「ノアは、すべて神が命じられたとおりに果たした。」という短い言葉の奥に、ノアの神に対する姿勢が現れているのです。
 地上の悪が洪水によって洗い流され、清められていくことは、神が罪を放置することができない方である、という厳しさを示すとともに、箱舟の建造という救いの条件に命をかけた人に対する、神の憐れみが見て取れます。
 「人に対して大地を呪うことは二度とすまい」という後悔とも取れる神の言葉は、人を信じ愛するあまり、滅ぼすのではない、別の計画を進める神の決意が見えるのです。それが、救い主イエス・キリストの誕生という、神の憐れみと忍耐の現れとなっていくのです。