156センチの視線

5月23日「持っているもの」

 21日の金曜日、結婚10年目を迎えました。昔、テレビでいつも流れていたCMを思い出します。ダイヤモンドのCMで、結婚10年目に夫から妻へ贈るスィートテン・ダイアモンド、という触れ込みでした。このCMはダイアモンドの「デビアス」という企業が作成したもので、彼らは婚約指輪の風習を日本に浸透させることに成功し、次なる一手として記念日に宝石を送ることを定着させたのです。
 高価な贈り物を贈ることができたなら、それはそれで素晴らしいことかもしれませんが、使徒たちの姿が思い出されます。ある時、施しを受けようと近寄ってきた足の不自由な人を前にしてペトロは言いました。「わたしには金や銀はないが、持っているものをあげよう。ナザレの人、イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい。」
 私も彼らと同様に、金や銀はありませんが、主の福音を携えています。感謝なことに、妻は施しを受けようと私に近寄ってくるわけではありませんが、福音を共有できることは何よりの贈り物ではないかと思っています。
 コロナ禍の中で、旅行や食事など、非日常的で、特別なことができないからこそ、自分が持っているものを考えさせられます。