156センチの視線

12月5日「信仰の継承」

 先日の刑務所教誨で、いつものようにお一人ずつ感謝だったことをお話していただきました。その中で、数ヶ月前に「急に誰からも連絡が来なくなった。」と不安を口にしておられた方がおっしゃいました。「私はイエス様に祈りを聞いていただきました。」
 その方は出所が近づき、先行きに不安を感じていろいろな方々に手紙をお送りしたそうです。しかし、誰からも返事が来ない。不安と孤独の中で、主に祈ることを始められたとのことでした。しかも必死に。
 それから数日後、まったく忘れていた方から連絡があったそうです。しかも、「出所の時、青森は冬だろうから、迎えに行くよ。」とのこと。喜びが溢れたそうです。しかも、冬服をすでに買ってあると聞いて、非常に驚いたようです。
 私はその方に伺いました。「どんな祈りをしていたんですか?もしよろしければ、今、他の方のためにもなるので、祈り方を教えていただけませんか?」すると、その方は他の方々の前で祈ってくれました。「イエス様、私は怖いんです。これからどうなるか分かりません。誰からも連絡も来ません。助けてください。」静まった部屋中に彼の心からの叫びが響きました。
 およそ二年間、共に聖書と信仰について分かち合ってきた方が、新しく加えられた方々にとって信仰の先輩となった瞬間でした。