156センチの視線

2月6日「本当の自分に」

 東奥義塾で生徒たちに勧められたアニメを見ました。それは恋愛アニメであり、高校生たちの話でした。
 過ぎ去った高校時代を思い描けるような、まっとうな高校生ではなかった私にとって、懐かしいと思えるような描写はほとんどありませんでした。しかし、このアニメのテーマは恋愛や高校時代の青春ではないと感じました。
 主人公は人との関わりを面倒に感じるひねくれた人物で、人に合わせることを極度に嫌い、いつも独りでいようとします。そんな彼をある一人の教師が「奉仕部」という部活に強制入部させるところから始まります。そこには、才色兼備の女生徒が一人いましたが、彼女もまた、心のなかにある本音を決して表に出さないため、他者からまったく理解されない人物として描かれている。そこに、いつも他者に合わせてばかりの一般的なもう一人の女生徒を加えて、話は進んでいきます。
 様々な問題に直面しながら、やがて彼らの願いは「本物が欲しい」に統合されていきます。つまり、表面上の馴れ合いを超えた、本音を出し合える関係性ということです。
 この関係性はどこか親近感がありました。なぜなら、それこそが最初期から続く、教会共同体の本質だからです。