156センチの視線

4月30日「簡単な回答」

 今回の刑務所教誨では、実にたくさんの質問が出されました。一方的な講義形式の教誨から舵を切って、被収容者の方々の疑問にお答えする形をとってから、本当に多くの質問をいただき、参加者の熱を感じます。
 このような形式になってから、皆さんが1ヶ月間聖書を読み、その他にも歴史や思想書なども手に取っていることが分かりました。あまりにも勉強されているので、とても難しい質問が出たりします。例えば、「教典」と「聖典」の違いは何ですか?といった問いです。皆さんはお答えすることができますか?私はできませんでしたが、おそらく違うだろうけど、と前置きをして苦し紛れに説明をしました。「聖書においては同じだろうけど、分けるとすれば聖典は聖書であり、教典は生活規範などが書かれているものでは?」と。
 組関係者が多い私のクラスですが、以前にヤクザは職業ではなく信仰に近い、とおっしゃっていた方がいたことを踏まえて、組や上の人のために命を捨てる信仰から、罪人である私たちのために命を捨てたまことの神に感謝する信仰へと導けたら、と祈っています。
 最後に、2年間お付き合いさせていただき、来月出所される方が言いました。「仏の入れ墨が入っていますが、教会に行っても大丈夫ですよね?」と。その質問への答えは最も簡単でした。「もちろんです。」  牛山