156センチの視線

「恵みの時、救いの今」

今年は2月10日(灰の水曜日)からレント ―本来は単に「春」という意味―(復活前節、4旬節、大斎節、とも呼ばれる)「受難節」が始まりました。「キリストが苦難を受けたことを思い起こして礼拝を守る時節」のことと言ってよいでしょう。
 キリストの苦しみと十字架の死を記念する期節は、日曜日を含む46日間、日曜日を別にすると40日間です。レントは毎年水曜日から始まります。「灰」というのは、死と懺悔と苦しみの象徴で、更なる悔い改めに招かれているわたしたちがいます。
 レントの40日間は、教会の生活、信徒の生活としては基本的には断食の期節という実践がありました。しかしそれは、自分の信仰を断食によって修練するとか、克己するというよりも、キリストの苦しみに連なって、わたしたちに何ができるのかということを考える時、すなわち奉仕、宣教という意味づけの中で受け止めることが大切とされています。
 この時は古くから、洗礼を受けようとする人たちのために、集中的に信仰の訓練、学び、準備のための期節として、非常に大切にされてきました。古代教会では、洗礼は復活祭の日と決められていました。洗礼をすでに受けている者も、始めの愛に立ち返る、悔い改めの時でもあります。
 「恵みの時、救いの今」に生きるわたしたちです。