156センチの視線

「主と共に、主の勝利を生きる」

2月14日の週報に「レント(4旬節、受難節)」について書きましたが、今回は今一つの側面を見てみたいと思います。
 受難節は、主イエス様の公生涯の初め、荒れ野での断食、悪魔の誘惑と戦われた「試みの40日間」にもなぞらえられ、わたしたちは受難節を守ります。
 それ故、受難節は、形式的な断食や禁欲以上に、主イエスが悪魔と戦って勝利を得られた、あのような誘惑をわたしたちも真剣に戦い、主に助けられて勝利を得ることに心を向ける時でもあります。
 主の荒れ野で経験された3つの誘惑は当時の有力な3つの団体-サドカイ人、パリサイ人、ヘロデ党―の考え方に対応するものでした。それ故、今日の教会が対決を迫られている事柄への対応に大きな示唆を与えてくれます。
 ①「パンの問題」は宗教と経済、唯物主義に対して、「まず神の国と神の義を求める」ことを。②「奇跡の問題」は、ご利益としての自己中心主義に抗し、て神に従うことの優位性に関して。③「権威-宗教と政治」の関係においては、「2人の主人には兼ね仕えることはできない」ことを明らかにしています。
 先立ち歩まれる主の、誘惑に対する決然とした足跡に、自らの受難節の課題が鮮やかに示されます。主と共に、主の勝利を生きるための受難節です。