宣教

「ふり向けばそこに」

 イザヤ52:11~12  ヨハネ20:11~14
 4つの福音書は全て復活の出来事を記しますが、復活の意味や解説はしていません。その代り、主の復活に接した人々の経験を語ります。信仰は説明でも理論でもなく、生活であり新しい命だからです。
 ヨハネの最後の2章は、直感的で純情なマグダラのマリア、思索的懐疑派のディドモと呼ばれたトマス、直情的で行動派のシモン・ペトロ、3人3様の人々に焦点を当てます。背景も問題もそれぞれ違いますが、皆、一様に復活の主から力と希望を与えられています。
イエス様に7つの悪霊を追い出してもらったマグダラのマリアは、絶望的な人生の中で人生、生活に革命が起こりました。その主が殺されたのです。せめても遺体にと墓に出かけます。空の墓の前で呆然とします。しかし彼女の背後にはイエス様が立っています。過去への回想や追憶で心がいっぱいの時、そこに確かにおられる方すら見えなくなってしまいます。マリアに限らず、トマスにもペトロにも同じことが起こっています。
 マリアが「ふり向くと」そこにおられた主は、いつもわたしたちとも共におられます。「死者の中」にではなく、今ここにおられます。