156センチの視線

3月12日「いのちに満ちた言葉」

先週の日曜日、朝5時、起きてすぐにいつものように、NHK Eテレ「心の時代」のスイッチを入れました。この日は画面に吸い付けられ、気が付くとひざを折って見ていました。『仏師 山本竜門』でした。大小1000体をはるかに超す仏像が大きな部屋に溢れ、曼荼羅を具現化していました。
 素朴に語る一言一言が、心と体に沁みわたるようでした。自分に欠けているものを、余すところなく静かに暴き出していきました。
 「刃をよく研ぐこと。」「木と対話しながら、自分が彫るのではなく、気に導かれ、木そのものが持っている命を引き出す。」「彫るお手伝いをさせていただくことを通し、知らなかった自分と出会う。」「最初は、作品の寸法を細かく測り、寸分違わぬようにつくった。」「一部分ではなくすべてを似せて作る。」「ゆっくり育って豊満になる。」「震災の場所に、町いっぱいの笑顔の仏像を作る。」…
 どの言葉一つ切り取っても、いのちと力が満ちていました。忘れてしまっていた大切なものと出会いました。キリストに倣うこと。聖書を心に刻みつけること。一人一人の内なるキリストを掘り当てること。…。主の、「初めのころの愛から離れてしまった」(黙示2:4)の声が聞こえました。