宣教
9月29日「タラントンのたとえ話」
マタイ25:14〜30
このたとえ話は、自分に授けられたタラントン(才能・能力)を用いて励む時、 主なる神は大いなる恵みと喜びをもって報いてくださり、そうでない者には厳しい 裁きが下される。果たしてそうでしょうか?
主イエスは忠実な神の民として生きようとする紀元1世紀のガリラヤの農民たち の苦悩を見て、農民たちから土地を奪い取り、大土地所有者として贅沢な生活をし ている金持ちたちの不正な支配によって成り立っている経済的、社会的構造を変革 していく戦いを促している話ではないかと思えます。
このたとえ話は少なくとも勤勉のすすめなどではないと思います。まず、巨大な 搾取と抑圧差別の絡まりあった社会システムのただ中で喘ぎつつ、正義を求めてい る者たちがどう生きれば良いのか、どのようにしたら今こそ「神の国」の道につな がるのかという大きな重い問いかけを残すたとえ話であるとともに、ヒントを残そ うとしているたとえ話であるように思えます。