宣教
12月13日「貧しさの祝福」
ルツ2:4 マタイ1:5
『ルツ記』-何と美しい聖書の一巻でしょう。不思議に、教会学校の時から大好きな物語でした。早熟だったばかりではなかったように思います。ここには、どんな不幸と思われる中にも、神の慈しみの及ばない処はないことを、静かに優しく語りかけてくれているからだと思います。
異邦人モアブの出自の若い女性が義母ナオミと共にナオミの故郷ベツレヘムに移り住みます。夫を失ったルツというこの女性が、ボアズという男性と出会い、二人は結ばれ、オベドが生まれ、オベドはエッサイを、エッサイからダビデ王が…。不思議な人生の展開を描く「系図」が、マタイ冒頭のキリストの系図に直結します。
神の永遠の救いの御計画の一端を、この不幸と思われる女性によって担われていることの驚きがここにあります。どんなに小さく貧しくあろうとも、そこに鮮やかに現れる神の栄光!神の御業です。
聖書は驚きに満ちた神の御計画、人間の思いと全く異なる神の出来事、神の救いを語り続けます。この驚きを、「わたし」の出来事として受け入れる時がクリスマスです。出自も貧しさも、人間の側のどんな否定的要素も、神の救いの計画を止めることは出来ません。わたしたちもこの恵みの中にいるのです。