156センチの視線

5月16日「結婚記念日を前に」

 ある農家が、自分の小さな農場に不満を抱いていました。湖から迫る原生林の伐採と管理、放牧する家畜のための牧草の世話とフェンスの増築、他にも必要なことが山積みです。彼はやっかいな農場を手放して、新天地に進出しようと決心し、不動産業者に新聞広告を依頼しました。
 後日、不動産業者ができあがった広告を彼に読み聞かせました。見出しはこうです。「愛らしい農場。理想的な環境。」続けて、宣伝文句が綴られていました。「丘に囲まれた静かな平安。やわらかな牧草に包まれた、輝く湖のほとり、生き生きとした木々のそばで。」
 彼は言いました。「売るのはやめにします。なぜなら、あなたが言ってくれた農場こそ、私が探し求めていたものだからです。」
 私の置かれた境遇がいかに恵まれたものか。あの不動産業者が作成した広告のように言い表してみれば分かります。
 「知的で包容力のある妻と創造性に富む子どもたち。青空に輝く白い会堂で信仰と愛に満ちた神の家族と共に歩む喜び。日本一の桜と津軽富士から神の創造を仰ぐ日々。主の臨在を感じられる働きの数々があなたを待っています。」
 これが私の境遇です。誰にも譲りたくなくなってきました。