156センチの視線

「しっかりと過去と向き合う悔い改めと勇気」

この年の国会が始まりました。昨年暮れ、日韓における従軍慰安婦の問題が、「不可逆的解決」を前提に、政府の責任認定と首相のお詫びをもって決着をみたことが報道されました。しかし予想されたように、事は決して楽観できないのは言うまでもありません。そもそも、この事をさらにこじらせたのは、安倍首相の歴史認識の歪みによるものであったこと忘れられてはなりません。何という不遜。
 ドイツの戦後は、1945年5月8日の「ドイツ降伏日」で、「ドイツ開放の日」とも呼ばれています。1951年アデナウアー首相が、ユダヤ人に謝罪。翌年、被害者補償条約に調印、56年には連邦補償法を制定。「被害者が生きている限り続く」とされる。今日までに、ドイツ政府が支払った賠償額は10兆円超え、今もなお賠償は続いている。メルケル首相は「歴史に終止符を打つことはできない。ドイツ人はナチス時代に引き起こしたことに注意を怠らず、敏感に対応する特別の責任がある」と明言。
 岸田外相が「(従軍慰安婦問題に)不可逆的に終止符を打った」と誇らしげに言ったのとはきわめて対照的です。歴史は人生の師。歴史が伝える事実をそっくり受け止め、その過程を知れば同じ過ちを繰り返さずに済むのです。「この年、しっかりと過去と向き合う悔い改めと勇気を与えてください」と~