未分類

12月24日「ヨセフさん!僕のうちに来て!」

クリスマスになると、いつも思い出すアメリカの小さな村の出来事があります。
 その村の教会では、村の子どもたちによる生誕劇が毎年行われます。一人の発達障害の少年に何の役を割り当てたらいいのか、先生たちは悩みましたが、ついに宿屋に決まりました。宿屋の演技は「ダメだ、部屋はない」といって後ろの馬小屋を指差すだけ。その日から、猛特訓が始まりました。
 そして本番の日。子どもたちの素晴らしい演技と歌で劇が進み、いよいよベツレヘムの場面です。長旅で疲れ切ったヨセフと臨月のマリアが宿屋の扉をたたきます。すると、あの少年が出てきて言いました。「ダメだ!部屋はない!」そして、後ろの馬小屋を指差したのです。先生たちはガッツポーズ!大成功です。
 しかし、トボトボと馬小屋へ向かおうとするヨセフとマリアを見つめていた少年の目に、涙が溢れてきました。そして次の瞬間、大声で叫んだのです。「ヨセフさん!僕のうちに来て!」ヨセフとマリアを引っ張る少年を先生たちが引き離し、生誕劇はそこで終わりになりました。
 でも、教会から帰る人々は口々に言いました。「今までで一番素晴らしい、最高の生誕劇だったね。」
 メリー・クリスマス!