156センチの視線

11月1日「どんな人であっても」

 先週、プロ野球のドラフト会議がありました。ここ数年、ドラフト会議の日にきまって放送される「お母さん、ありがとう」という番組が定番化してきているようです。そのタイトル通り、主役は指名を待つアマチュア選手と彼を支えてきた母親です。しかし、その選手によっては、お母さんではなく、別の家族にスポットライトが当てられるときもあります。
 今までで印象に残っているのは、広島カープの大瀬良選手。今や広島のエース格となり、球界を代表する投手となった彼が指名されるかどうかの年、「お母さん、ありがとう」も通年通りに放映されました。そこで主役となったのは、彼のダウン症の弟でした。
 弟の名前は「元気」さん。小学生の大瀬良選手がいつも自分の試合に連れて出かけるので、ある時、母親が大瀬良選手に言いました。「元気を連れて行くの、嫌じゃないの?」しかし、大瀬良選手は言いました。「何で?俺の弟じゃん!」
 大瀬良選手の姿に、主の姿が重なりました。どんな人であっても「私の友よ」と呼んでくださり、世の評価や常識ではない視点で見守ってくださり、愛してくださる神。
 ご自身に似せて造られた、その人間の素晴らしさを見たような気がします。