156センチの視線

8月28日「放棄しない神」

 聖書の御言葉を取り次ぐ時、我が身を振り返ってみることがとても多いのです。ジーン・マリー・スタインという心理学者は、「人には、その人もまだ知らない能力が眠っています。そのすべてを合わせると、現在の500%以上成長できます。」と言っています。
 私は中学生の時、はじめて0点を取りました。数学のマイナスの足し算引き算がまったく分からなかったのです。しかし、その時は「数学ができない」とは思わず、父親に丁寧に教わって理解したのを覚えています。しかし高校二年生の時、代数幾何のテストで赤点をとり、以降、友人たちに「俺は文系だから、数学はいらない、役に立たない。」と言うようになりました。それから「私は数学ができない」という人生を歩むようになったのです。文系でも数学が得意な人もいます。しかし、私は数学の能力を手放し、それを学んだことで得られる貴重な体験を自ら放棄していったのです。
 神が用意された様々な体験。その一つひとつを思う時、私はどんなに神の計画から離れてきたのだろうかと、後ろ向きになることもあります。しかし、私のような者の中にさえ可能性と希望を見出してくださる神に心を向ける時、いつでもここからが始まりなんだと励まされています。 牛山