宣教
3月10日「勝利への道」
申命記8:1~3 マタイ4:1~11
イエス様が公生涯の初め、荒れ野で40日40夜断食され、悪魔の誘惑に遭ったことはよく知られています。あの40日になぞらえて、わたしたちはこのレント(受難節)を守るのです。主に倣うことを通し、わたしたちも勝利へと招かれています。
主が荒れ野で経験された3つの誘惑は、当時の3つの有力な団体―サドカイ人、ファリサイ人、ヘロデ党―の考えに対応するものでした。同時にこれは今日のキリスト教が対決を迫られている大きな問題と、それに対する解決の方向を示しています。
第一の、パンの問題として提出された誘惑は、宗教と経済の関係を示し、唯物的、立身出世主義からの問いです。主は「神の国と神の義をもとめる」ことの優位性を明らかにします。第二に、奇跡の問題として提出された誘惑は、いわゆるご利益宗教からの問いです。キリストに従うことは、自己中心的信心との決別が不可欠です。第三は、権威の問題で、宗教と政治の関係を示しています。目的のためには手段を選ばぬ妥協に関する、世俗主義からの問いです。それに対して、「ただ神にのみ仕えよ」と主は命じます。人生に立ちはだかる3つの誘惑に、「神の言」を武器として主は勝利されました。わたしたちの、真の人生の勝利の秘訣がここにあります。