156センチの視線
7月30日「難問」
先週、刑務所のクラスで難しい質問が出ました。その方は聖書や他の歴史書などを熟読されていて、とても熱心な方なのです。
「先生、イエスがどれほど素晴らしい方か、よく分かりました。しかし、旧約聖書を読んでいると、神がイスラエル人に女、子どもまで殺害するように命じている箇所がありますよね。私はそこがどうしても理解できないのです。」
これはとてつもなく難しい質問です。唯一言えるのは、私は神ではないので、明確な答えを持ち合わせていない、ということです。
次回、このことについて皆さんと意見を分かち合うことにしました。もちろん、新約聖書をベースに理解するわけですが、旧約聖書だけで終わってしまうと、どうしても「神を信じていない人々は殺害してもいい」という理論を崩すことが困難です。たとえ、十戒において人を殺すことが禁じられていたとしても、神を信じない人を殺害する律法も存在するからです。
主がこの地に人として来なければ、十字架がなければ、復活がなければ、人権や命について、今のような考え方はなかったかもしれません。と同時に、それを知ってもなお、争いを繰り返すのが人間だという、罪がもたらす悲劇も依然として存在しています。 牛山