宣教

7月17日「人を生かす神の言葉」

創世記11:1〜9 ローマ8:1~2
 第二次大戦中、日本は全体主義の中で国民の思想や自由を統制してきました。一人ひとりは、その生活全般に至るまで、公私ともに支配されていく。バベルの塔の物語もまさに、全体主義的な権威主義が垣間見えるものとして、私たちに警告を与えています。
 「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。そして、全地に散らされることのないようにしよう」という試みは、時代背景からして合議的に決められたものではありません。支配者が発した「有名になろう」という自己中心的なスローガンは、そこにいるすべての人から自由を奪っていくのです。そして、このスローガンこそ、この世の支配者(サタン)の声です。
 また、「全地に散らされることのないようにしよう」という誘惑は、「地に満ちよ」と人間に自由と個性を与えて創造した神の御心と正反対です。それゆえ、神は「降って」きて、言葉を混乱させて 一つだった言葉と考え方を解体されました。そうです。キリストは「降って」きて、人々を罪というこの世の支配者から解放しました。これこそ、全地に散らされる本来の個性と使命の回復であり、神の側から為された一方的な愛のわざなのです。