宣教

9月30日「姑ナオミの信仰」

             ルツ記1:1〜22
 冒頭に「士師が世を治めていたころ」とありますから、ルツ記は士師記と同時代の書です。士師記はイスラエルの暗黒時代でした。しかしたとえそうであっても、主の祝福にあずかった人たちが存在していたのです。
 1章の中心は姑ナオミです。飢饉のためパンを求めて、ナオミの家族はモアブの地に出て行った。でもそこで、夫は死に、嫁を迎えた二人の息子も子を授からないまま死んでしまった。このような困難と悲劇の中でナオミはどのように生きたのか。
 ナオミは嫁たちのためにこう祈ります。「どうか主がそれぞれに新しい嫁ぎ先を与え、あなたたちが安らぎを得られますように」(9節)。でも自分の苦難について、こうも言っています。「主の御手がわたしに下された」(13節c)。これは、ナオミにどこまでもついて行こうとする二人の嫁を追い返すための強烈な言葉であると同時に、ナオミの心の中から搾り出されて来た主を信頼した上での言葉でもあります。
 このような姑ナオミであったからこそ、ルツは「あなたの神はわたしの神」(16節)という信仰告白へと導かれたのです。その時期は、「大麦の刈り入れの始まるころであった」(22節)。主の祝福の始まりを暗示させます。