156センチの視線

12月10日「生誕の平安」

 クリスマスが近づいてきました。生徒たちと大好きな映画を見ようと「マリア」を鑑賞しました。主のご降誕をマリア視点で追った作品で、冒頭に流れる「久しく待ちにし」を聞いて、一人の生徒が言いました。「これ、朝の礼拝で歌ったやつじゃん」
 いつも通り、ガヤガヤと騒いでいる生徒たちでしたが、映画が始まり、虐げられる人々、エリザベト、ザカリア、そして主の言葉が天使によって告げられる頃には静まりかえっていました。
 口だけではどうしても伝わらない主の降誕の背後にあるユダヤ社会の現実、そして人々がどれほど救いを待望していたかが描かれている中で、マリアの苦悩、ヨセフの悲しみ、罪を重ねるヘロデ王といった役者たちが渾身の演技で聖書のストーリーを忠実に再現していました。
 初めてこの映画を観たとき、主が生まれる瞬間に「これで大丈夫だ」と、何とも言えない安心感に包まれたのを思い出します。
 クリスマスの時、生徒たちにもあの安心感を感じてほしいと思っています。