156センチの視線

「緊急事態続く日本の今」

安倍政権のもと、日本の行方がにわかに緊張を増してきたと言わざるを得ません。日本の、世界のかつての戦時に向かう政権の様相を呈してきました。自民党は憲法 に「緊急事態条項」が必要だといいます。「有事や大規模な災害が発生した時」のために。首相の意を汲んだ安全保障政策と軌を一にしたものであることは疑いえません。与党議員が、公明党でさえ公然と反対を唱え得ない現状、これこそが緊急事態であることを認めえないほどに、日本の政治は劣化しています。英国で、シリア空爆に反対して造反した議員がいるのと全く異なります。
 緊急事態なら、もうすぐ5年になる「あの時」からずっとその只中にいるのです。東京電力福島第一原発の事故は依然「起き続けている」し「緊急事態宣言」は解除されてはいません。いまだに緊急事態の中にある、明らかなる「人災」―地震が起こりうる場所に原子力施設を建設するのは政治的決定―に目をつむり、屋上屋を架すことを続ける様は、巨大企業中心の減税にも明らかにみられます。
更に度重なる内閣の問題発言。しなければならない優先事項を先送りし、雪崩うつ右傾化の流れにどのように掉さしたらいいのかを考えています。時と共に、風化してしまう自らの問題意識に気づきます。今一度、全てに仕切り直しが求められています。