宣教

7月16日「成長させてくださるのは神様」

Iコリント3:5~7
 17世紀半ばにヨーロッパのカトリック教会で「ヤンセニズム」という考えがはびこりました。これは端的に言えば、「今のあなたのありのままの姿では足はりない。だから、成長して救いを完成させるためには、自分の努力で急いで信仰の高みまで上がって来い。」というものです。このような考えは、教派や宗派や国などを選ばず今もなお信じる群れを脅かしていますが、そこに「福音」はありません。
 スペインのバルセロナに「聖家族教会」という大聖堂があります。今から141年も前に、天才建築家アントニオ・ガウディの構想を得て建築が始められた未完の大聖堂です。工事の速度は、亀の歩みのようなもので、遅々として進まぬ工事の進捗状況に対する周囲の焦りの声にもかかわらず帰天する直前のガウディは、このように言ったそうです。「神様は完成を急いではおられない」と。私たちの信仰の歩みにも同じ事が語られているように思えます。
 私たちは、ただイエス様が、罪のために十字架の上でご自身の肉を裂き、血を流されたことを信じ受け入れ信仰の告白することによってのみ救われるのです。そして信仰の成長も神様ご自身の業であり、慈愛の神様はその人でなければならないペースで一人ひとりを導いて下さいます。